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2006/06/21 (Wed)
北村薫の作品。北村薫を初めて知ったのは、いしいひさいちの漫画から。
「空飛ぶ馬」について描かれたもの。それから何年か後、食わず嫌いだったのが、たまたま書店で目に入って、読むことになった。
それから、マニアではないけれど、ひそかに愛読している。
ミステリというジャンルの中で、何度か読み返すのは、そう多くはなく、本棚の中で背表紙を見かけると、なんだか懐かしい気がして手にとり、ページをめくってしまう。私の場合、彼の作品は、二度目からはあわてて読むことはない。ゆっくり、ゆっくり、読んでいき、合間に「そうそう」とか「ふーん」とか心の中で言いながら、終わりになるのが惜しいような気持ちで読んでいく。
前から読みたかった「街の灯」。今回は初回なので、どんどん読んでいったけれど、相変わらずの安定した世界、気持ちがいい。読者のほとんどが現実には知らないながら、その後の変転を比較的よく知っている時代設定。私の好きな、というか理想でもある頭のいい女の子。すみずみまで、きちんと作りこまれた人々のやりとり。
いつも、この裏側にはどれほどの知識の集積があるのかと思うのと同時に、その一部が自分の持っているものと一致するとわかったときの気持ちは、とても恥ずかしくて人には言えない。北村作品に登場する女の子たちとは違って、思いっきり俗物で情けないけれど。

中身については、これ一冊では少し消化不良気味。もっともっと、この人たちのことを知りたい、いっしょにいろいろなものを見たい、と。
ようやく、世界が作られて、お嬢様もいろいろなことを考え始めた。お抱え運転手のベッキーさんの人となりも少しずつ見えてきた。そして…!というところなので、期待大。
殺伐とした事件もないのに、ちょっとした謎に気づいて、それを解きほぐしていくというのも、考えてみれば、むずかしいもので、これまでほぼその手法で謎を提示してきた北村薫という人は、すごい。今さら、ではあるけれども。
初めて読む作品としても、デビューの「空飛ぶ馬」よりも、私はオススメ。




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2006/06/20 (Tue)
西村京太郎作品。
今日、ではなく、昨日、「吉右衛門のパレット」の次に。
昨日は病院へ行き、3時間待ち。待つ時間がつらいだろうと「吉右衛門」を持っていったのに、とても3時間は持つものではない。
売店へ行って、本をみつくろい、これを買ってみた。
作家には申し訳ないけれど、いつとも知れぬ待ち時間をつぶすには、西村京太郎はぴったり。たぶん、40~50冊は読んでいる。おなじみの十津川警部だからすぐに世界に入り込めるし、あっという間に読めるし、まわりの声をシャットアウトするほどには熱中しないので、病院や乗り物の中では最適。それに、面白くないわけではないし。
そういう需要を満たすのは、ある意味誰にでもできることではないし、充分に作家として立派でもあると思うのだけれど、ご本人も大ファンの人たちも、読み捨てみたいに言われるのは不本意だと思われる。ファンサイトを覗いても、充実していて熱心な人がたくさんいるから。

ところで、西村京太郎、最近の作品は、中途半端に現代社会を取り入れようとしているような気がしてならない。この作品も「性同一性障害」を扱っているけれど、無理やり投入したように見えてしまう。前半は祇園祭を描いてうまくストーリーと融合させているのに、後半があまりに唐突。
動機がそれじゃなくても、話として面白かったのに…と、惜しい。
これまた最新作ではないけれど、「闇を引き継ぐ者」の力強さが、最近では最もよかったと思う。





2006/06/19 (Mon)
昔から現・松本幸四郎よりも中村吉右衛門が好きだった。
これには、子どものころの記憶も関係していて、幸四郎が染五郎だった頃、テレビで歌うのを見て、「なんだかイヤ」と思ったことも影響していると思う。当時、わけがわからないままにイヤだったので、今、芸の力をどうこういうわけではない。そもそも、そんな資格も見識もないし。
好きか嫌いか、というだけ。
その吉右衛門、歌舞伎役者としても、テレビでしか見たことはないし、いちばん多く見ているといったら、なんと言っても鬼平ということになる。
今回読んだ、というよりも見た「吉右衛門のパレット」は稲越功一の写真と、阿川佐和子との対談が収録されたものだけれど、改めて見てみると、吉右衛門という人は、完成された感じがない人なのだと感じる。
対談でもしきりに謙遜しているのが目に付いて、過小評価しすぎなのでは、と思ってしまう。でも、舞台写真を見ていくと、かっこいい、のだけれど、私は芝居してます、という意識が残っていて、外側からも自分を見ているような感じを受ける。何度も繰り返していくうちに、自分のものにしていくという人なのかな、と。だから、常に発展途上にいる人なのかも知れないと思う。
年を重ねるごとに、いろいろなものがくっついて、それが味になるタイプの人なのかもしれない。

稲越さんといえば、大昔ソフトフォーカスの少女写真を撮っていたような…。カメラマンもやはり、年とともに変化するものなんだ、とこちらは別の意味で感慨深かった。

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* ILLUSTRATION BY nyao *