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いらっしゃいませ
2006/06/28 (Wed)
中学校を卒業する時、同級生の男子のコメントに、好きな作家・丸谷才一とあって、クラスの中でも思想的に大人びていた(と見えた)彼には一目置いていたので、高校に入ってから、さっそく読んでみた。文体は旧かなづかいだけれども、読みにくいということはない。エッセイだということもあるかもしれない。
その頃から、丸谷才一は、特別な感があって、未だになんだかずっと、とりあえず頭を垂れるというような、弱味を握られているような気がしている。
タイトルは、絵が下手だということの喩えであると思っていた「虎を描いて猫に堕す」が「虎を描いて犬に類す」であったということから、それならば「猫を描いたのに虎」であったら、それは下手なのであろうけれど、画家・圓山應擧は虎を描くのに飼い猫を写生したに違いないという説を聞いたことから。
猫のつもりが虎に描けたというなら、やはり、うまい、ということになるのではないか。
このエッセイは小品ばかりだけれど、奥が深いということなのだろうか。
たしかに、いろいろな問題について、薀蓄をかたむけていて、どの話題も「なるほど」ばかり。
知らないことをたくさん教えてくれるという点でも、私は丸谷才一の大ファンだし、これまでのエッセイだって、面白い。ただ、誰でも知っていること、として語られるものが、私には少しハードルの高いものが多いので、「この作家は何を書いていたっけ」とか「この言葉はこう使うんだったっけ」とかほかのものも調べたりしなくてはならないことも起こり、ちょっと、気合を入れて読む。
でも、いろいろな話題が、次々に出てきて、興味をそそられることばかり。
文学から建築、料理屋の酒からロシアのアイスクリームとさまざま。
もう一つ、私が長く読み続けているのは、文系の人だな、という匂いがするから。年号などの数字は耐えられるけれど、恒星の質量などの数字には弱い。読んでいて、安心する、といってもいい。日本語を読んでいる、ということを意識させられる点でも。
その頃から、丸谷才一は、特別な感があって、未だになんだかずっと、とりあえず頭を垂れるというような、弱味を握られているような気がしている。
タイトルは、絵が下手だということの喩えであると思っていた「虎を描いて猫に堕す」が「虎を描いて犬に類す」であったということから、それならば「猫を描いたのに虎」であったら、それは下手なのであろうけれど、画家・圓山應擧は虎を描くのに飼い猫を写生したに違いないという説を聞いたことから。
猫のつもりが虎に描けたというなら、やはり、うまい、ということになるのではないか。
このエッセイは小品ばかりだけれど、奥が深いということなのだろうか。
たしかに、いろいろな問題について、薀蓄をかたむけていて、どの話題も「なるほど」ばかり。
知らないことをたくさん教えてくれるという点でも、私は丸谷才一の大ファンだし、これまでのエッセイだって、面白い。ただ、誰でも知っていること、として語られるものが、私には少しハードルの高いものが多いので、「この作家は何を書いていたっけ」とか「この言葉はこう使うんだったっけ」とかほかのものも調べたりしなくてはならないことも起こり、ちょっと、気合を入れて読む。
でも、いろいろな話題が、次々に出てきて、興味をそそられることばかり。
文学から建築、料理屋の酒からロシアのアイスクリームとさまざま。
もう一つ、私が長く読み続けているのは、文系の人だな、という匂いがするから。年号などの数字は耐えられるけれど、恒星の質量などの数字には弱い。読んでいて、安心する、といってもいい。日本語を読んでいる、ということを意識させられる点でも。
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